数年前に都内で仕事をしていた頃、通勤は電車を利用していました。
行きも帰りも混みまくっている電車。
金曜日の夜なんて飲んだ後の酔っぱらった人々でぎゅうぎゅうでした。
優先席には日々人間ドラマがあります。
私は自分自身でそれを目の当たりにしてきました。
松葉杖のけが人VSサラリーマン
松葉杖って誰よ??
・・・他でもない私です。
会社の昼休みに銀行に寄った帰りにヒールでダッシュし階段から転倒。
靭帯を損傷しました。
それから1ヶ月、両松葉杖で通勤。
電車に乗る度に様々なドラマがありました。
若いサラリーマンの人は結構譲ってくれます。
若いから少し疲れてても立つ体力があるし、
私が同年代で女性ということもあると思います。
中にはホームの階段で「下まで一緒に行きますよ」
と言ってくれた方もいました。
都会も捨てたもんじゃないなと心から思いました。笑
これがおっさんになるとすごいです。
両松葉を前にして見て見ぬふりしますから。笑
(勿論、おっさん全員ではありません。
おっさんにそういう人が多かったという話)
確かに私も若い。松葉杖くらいなんだ、そう思われても仕方ない。
でもねおっさん・・
両松葉したことないっしょ!?
私も人生初でしたが、ものすごく体力のいる移動手段です。
ドラマで華奢な女の子がサッと松葉杖で歩く場面ってよくありますけど
見た目より超絶ハード!!
ずーーーっと筋トレしてるようなものです。
私は家から駅まで歩いて5分の距離を
松葉杖で15分かかっていました。
それくらいキツイし時間がかかります。
仕事が遅くなり金曜日に23時くらいに電車に乗った時は混雑のピークで
人に揉まれながら片足で何とか支えて必死の思いで乗っていました。
降りる時は主張しないと誰も道を開けてくれません。
「すいません、降ります!」
私が言うとみなさんよけてくれましたが松葉杖に気付き車内がざわつきました。
やっとの思いで電車を降りて、駅で待ってくれている夫を見つけると
1日の苦労が涙となってボロボロこぼれたのを鮮明に覚えています。
みなさん仕事に家庭に育児に毎日大変です。
本当にお疲れ様です。
でも、せめて両松葉ついてる人がいたら・・・譲りましょうよ。笑
私は両松葉がとれた後、2週間くらい杖をついていました。
(なぜ・・つえ?)
その時は譲ってくれなくても何も思いませんでしたよ。
でも・・せめて!松葉杖ついてたら譲りましょうよ。
妊婦VS男性
長女を妊娠中、電車に乗ることはよくありました。
休日でも都内の電車は混んでいます。
私は松葉杖を経験済みだったので
電車で座れるとは期待していませんでした。
というかちょっとお腹が大きいくらいで男性は気付かないわけで。
一応マタニティーマークは付けていました。
完全に私の好奇心です。
「このマークってどれだけの効果があるのだろうか」
「どれだけの人が周知してるんだろうか」
「みんなどんな対応をするんだろうか」
ここでも電車内の人間ドラマがありました。
女性で育児を経験してるであろう年齢の人やおばあちゃんは
譲ってくれる確率が非常に高いです。
同じ女性同士で声もかけやすいですからね。
それが女子高生や女子大学生になると確率は下がります。
ちらっとマタニティーマークを見つけると気まずそうな表情になり
友達に何か言いたそうにもぞもぞするんだけど
考えるのも面倒だから見なかったことにして携帯をいじる。
このパターンが多かったです。
どうしようかと悩む感じが可愛らしい。
男性はというと・・
やはり女性に比べて譲ってくれる確率は非常に低い。
仕方ないです。
細かいことに気付かない生き物ですから。
マタニティマークや突き出たお腹に気付かない。
またマタニティーマークって小さいですよね。
確かに気付くのは至難の業かもしれません。
男性に多い行動は、
電車に妊婦が乗ってきた時に明らかに「はっ」とした顔をするんですが
すぐに携帯をいじって気付いていないふりをする。
そのパターンが多かったです。
電車に乗れば9割の人が携帯いじってますからね。
でもギャル男が譲ってくれた時の感動は忘れませんね。笑
譲るというめんどくささ
女性だろうが男性だろうが「譲るという行為」に
とてつもないめんどくささを感じる
というのが正直なところだと思います。
譲るという行為は労力が要ります。
相手に「どうぞ・・」と話しかける、周りの人にその様子を見られる・・
降りる時に「ありがとうございました」とか言われて何かこっ恥ずかしい・・
要はその一連の動作がめんどくさいんです。
そのめんどくささも関わりたくない気持ちもよくわかります。
ましてや都会、隣に住んでいる人のことも知らない世界で
みんな他人に何の興味も無いし助けたいとも思ってないんです。
とてつもなくドライな世界。
私も今思い返したら
バリバリ働いていた頃は妊婦さんに気付いてなかったと思います。
期待しない方が無難
例えば妊婦さんでも
「優先席じゃん!どうして譲ってくれないの?」
なんて気持ちで乗るのはやめましょう。
所詮、ドライな世界です。
譲ってくれる人もいればそうでない人もいる。
みんな自分のことでいっぱいいっぱいです。
もし
自分が反抗期の高校生で親と大喧嘩してきた後だったらどうですか?
受験に落ちて死にたいような気持ちだったらどうですか?
譲る余裕ないですよね。
みんな目には見えないストレスなんかをいっぱい抱えているかもしれないんです。
譲ってくれた時は「ちょっと心に余裕のあるいい人だった、ラッキー」
譲ってくれなかった時は「みんなそれぞれ苦労してる、お疲れっす」
と流す。
期待するだけ疲れますから。
最低限の譲る精神は持っておく
電車で妊婦さん同士が譲り合ってる場面をみたことがあります。
お互い相手の気持ちがわかるから思いやりが生まれる。
みなさんも最低限の「譲る」気持ちは持ってみてはどうでしょうか。
例えば今は独身の男性の方も
いつか結婚してパートナーが妊婦さんになるかもしれない。
その時に外に出ると驚く程妊婦さんが目につくんです。
「妊婦ってこんなにいたんだ」
今まで意識していないものが見えるんです。
怪我して松葉杖をつくと
他にも松葉杖をついている人が異常に目につくんです。
「こんなに松葉ついてる人っているんだ!」
普段は無意識に見過ごしています。
自分や自分の家族、自分の子供が
いつ譲ってもらう立場になってもおかしくないんです。
「せめて気付いたら譲る」
目には見えませんが、して損なことではないと思います。
さいごに
公共の乗り物は、あくまで公共のもの。
「自分が座れて当たり前」とは思わない方がいいです。
譲ってもらえた、譲ってもらえなかった、と一喜一憂してたら疲れます。
身勝手な人もいれば
割り切ってる人もいれば
優しい人もいる
「今日はどんな人と出会うか」
ただそれだけのことです。
お互い自己中心的になりすぎず
人として最低限の対応をしていきましょう。
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