私の夫は変人です。

変わり者を好きという女性はあまりいないと思います。
私もそうでした。
イケメンで優しくてそこそこ賢くて
友達にも自慢できちゃうような彼氏♡
そんなありきたりな理想を持ってました。

そして大学に入り・・
今の夫と新歓コンパで出会いました。
同じサークルに入り出会ってすぐにお互い好意を持ち
付き合うことになりました。
初めの印象は至って普通の純朴な青年。

でも徐々に彼の変人ぶりが発揮されることになります。
そして私はその魅力にとりつかれたのです。

変人の魅力

私は至って普通です。
だから普通のことしかしません。

私が自分と似た普通の人と付き合ったら
いつも同じような場所に行き
同じような人と付き合い
同じような会話をし
保守的で同じ世界しかみないと思います。

変人は良い意味でも悪い意味でも
自分の既成概念を覆してくれます。
常に違う世界をみせてくれる。
それを
「付き合いきれない」と思うか
「やばい面白すぎる」と思うか。

私が言いたいのは
多分、後者の方が人生面白い。

私の夫は「普通こうする」とか「絶対こうであるべき」っていう考え方をしません。
だから他人からどう思われようが全く気にしない。

子供に田舎で伸び伸び育って欲しいと思ったら
給料の良いベンチャー企業をあっさり辞め
田舎暮らしを始める。

子供と畑に行き
野菜の成長を見せたり収穫を体験させる。

たぶん普通の人は
子供のために東京の会社を辞め
ゼロから田舎で暮らそうなんて思わない。
思っても行動するまでには至らないんじゃないでしょうか。

変人は普通の人から非難されるようなことも平気でします。
でも、変人と一緒にいると何でもできる気がするんです。笑

彼と出会って
「え、え、マジかよっ！！！」
の連続ですが私の人生は死ぬほど面白く濃いものになっています。

基本は思いつきで生きる

夫は学生時代ペットショップでバイトをしていました。
動物が好き過ぎて
学生専用の壁が激薄のアパートでなぜか青い鳥を飼いだすほどでした。
鳥は朝6時前からピーピーピーピー鳴きだし
狭い鳥小屋をバサバサッバサバサッと飛び回ります。
それが早く出せと言わんばかりの激しさ。

こうなることがわかっていて彼はなぜ鳥なんぞ飼おうと思ったのか。
「飼いたいと思ったら飼わずにいられないから」
それだけの理由でした。

8畳のアパートに鳥が飼われてる状況はかなり面白かったんですが
そのうるさい鳴き声は徐々に私のストレスになりました。
「もう！朝も起こされるしいやっ！ほんっとにうるさい！」と抗議すると
「じゃ、放そう」
と、そこそこ値段もしたであろう青い鳥を
ベランダからあっさり逃がしちゃったんです。
きれいな青い鳥との生活はほんの数日で終わりました。

そして後日・・・
懲りることなく今度はハムスターを購入してくる彼。
理由は「ハムスターって可愛らしいやん」
それだけでした。

日中は授業、夜はサークル活動、たまにバイト、週3で飲み会という
忙しいスケジュールの中
ハムスターという繊細な生き物を世話できるのか。

案の定、ハムスターは数日で死んでしまいました。
私は可哀想に思いました。
「すぐ死んじゃうし飼うこと自体が何か可哀想じゃない・・？」
「う～ん、そだね～え。すごく可愛いんだけどね～」

数日後・・・・
再びハムスターを購入してくる彼。

理由は「餌とかが大量に余ってるから」でした。

2匹目のハムスター、
彼の家でサークル仲間が集まって飲み会をした時に
翌朝気付いたら行方不明になってました。
未だその最期は謎です・・。

そして彼の動物の愛し方も未だ謎です・・。

3度の飯より筋トレ

動物より衝撃的な出来事もありました。

彼は体を鍛えることに惜しむことなく時間を費やします。
筋トレが大好きなんですね。
家で筋トレしている時は
「俺をみろ」と言わんばかりに逐一、私の方を見ながら
「ふっ！ふっ！」と筋肉とそれにしたたる汗を見せつけていました。

私は苦笑いするしかありませんでしたが、ちゃんとそれを見届けていました。

学校にトレーニングルームもあるし
サークルの活動でトレーニングもするのに
それだけでは満足できず
遂にアパートにサンドバックを購入して置く始末。

ちょっと考えればわかるけど・・隣人に超絶迷惑な行為。

「絶対うるさいよ、迷惑だよ！」
と言ってみたものの
「いや、隣に住んでるのは後輩だから大丈夫」
という自由な答えしか返ってこず。

彼が家にいる21時頃から深夜の間に
ガシャーンッ！ガシャーンッ！
ドスッ！ドスッ！
という鈍い音が毎晩響き渡りました。

数週間後・・・
彼のローキックの衝撃でサンドバックが壊れました。

彼の大事な筋トレグッズ、
かなりショックだろうなと思ったら
「へえ～中はこうなってんのかぁ」
と皮を破き解体し始める始末。
「これ何ゴミになるんかなあ」
・・・・知らん。

周りは関係ない

彼はとても単純かつ純粋な男でした。
大学生のサークルの合宿で「寝まき」というと
「スウェット」とか「トレーナー」が普通ですが
彼が持ってきたのは小学生が着るような前ボタンのパジャマでした。

サークル仲間はみんな吹き出して笑ってましたが
彼のその純粋さが魅力でした。

彼には都会のファッションも流行りも関係ありません。
10月が終わるまで基本、タンクトップで過ごします。
雪国育ちで細マッチョ、超暑がりの彼には
東京の冬なんぞ生ぬるかったのです。

仲間達は
「なんでまだタンクトップなの！？」とは聞きません。
みんな彼から真っ当な答えが返ってくるとは思ってなかったんです。

彼は年末が近づいてきて初めて「寒くなってきたな～」ともらします。
彼が寒さを感じるようになると、本当の冬が近づいてきた証拠です。

変態的にのめりこむ

彼は学生時代、男友達のバイクの後ろにまたがったその瞬間から
急にバイクの魅力にとりつかれ
バイク雑誌を買いあさり
バイクについて聞けば何でもわかるまでの知識を得て
気付いたら免許を取得、
お金も無いのに中型バイクを購入していました。

それはもう驚異的な早さでした。

それからバイク好きの変態と化しました。
デートしていてもバイクが通れば必ずチェックします。
「あれはホンダの・・〇〇だ！」
「あのエンジン音はカワサキ！」
最終的にエンジンの音で何のバイクかわかるまでの変態になったのです。
遂には幕張メッセのモーターショーに連れていかれ
トライアルのショーをみて
そのプロの人が誰かも知らないのに
いつの間にか私も2ショットで写真を撮ってもらうという
ミーハーな行動をさせられる始末。

遂には中型では満足できず
大型の免許も取得。

なぜか私もバイク屋に連れていかれ
一緒に大型バイクを選ぶことになったんです。
私自身バイクに全く興味ないのに
「こっちのバイクの方が乗り心地がよさそう」
「このバイク女性も乗れるの？デザインが可愛い！」
と、ほざいてる自分がいました。
完全に彼に染められていました。

その後、これまたお金も無いのに
1200ccのバカでかいバイクを購入。

そんなこんなで
バイクで2人乗りするのが当たり前になり
彼が初心者の頃は白バイに捕まったり
慣れたら温泉地まで遠出したり
と色んなことをたーくさん経験させてもらいました。

彼の奇行は今も健在なので語りつくせませんが
これからも私を死ぬほど楽しませてくれるであろうことは
確かです。

変人とは自分にないものを見せてくれる人、
あなたの人生に新しい風を吹き込んでくれる人です。

出会った人がちょっと変わってても
苦手に思うんじゃなくてその世界を少し覗いてみると
とてつもなく面白いかもしれませんよ。